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小児科の医師不足と医師の引き抜きの懸念に関する問題について議会の中で何度も質問してきました。横須賀市議会の議事録からそのまま抜粋しました。
これまで、2012年の3月から、横須賀市議会教育福祉常任委員会等で質問し、小児科医療の充実を求めてきました。この問題は、同じ教育福祉常任委員会に属していた、井坂議員も同様な観点から、本会議で質問しています。これまでの経過を見ていただけると、市民病院の小児科入院の休止に至る全体の動きが見えてきます。
とりわけ地域医療振興協会は、新規に練馬光が丘病院と東京ベイ浦安市川医療センターを2012年4月からスタートさせました。両病院の医師不足を補完するために、横須賀の小児科医療の縮小がはかられる懸念をもち、医療体制の維持を訴えてきました。
今回の市民病院の入院休止は、直接このことと関係はないと、担当課長は話していますが、こういった背景もあることを認識していただければと思います。
2012年 第1回定例会 教育福祉常任委員会
2012年3月13日(9:00~14:58)
◆長谷川昇委員
それでは、健康部にお聞きします。
市民病院とうわまち病院のことについてお聞かせいただきたいのですが、まず1点目ですが、今、市民病院の小児科の医師は何人いらっしゃいますでしょうか。
◎※地域医療推進課長
現在、5名勤務しております。
◆長谷川昇委員
そのうち常勤は。
◎※地域医療推進課長
5名全員常勤です。
◆長谷川昇委員
うわまち病院の小児科の医師の数は。
◎※地域医療推進課長
現在、常勤医師が10名勤務しております。
◆長谷川昇委員
実はそういう話を聞いたのは、おとといの新聞に、東京都練馬区にある練馬光が丘病院のほうで、日本大学から地域医療振興協会、これは横須賀市の2つの病院と同じ母体でありますが、そこに4月1日から移るというのです。その中でどうしても医師が足らない。日本大学はもともと150人ぐらいいたが、それが60人ぐらいしか集まっていない、100人ぐらい足らないという状況らしいのです。そういう中で、7日に会議が開かれて、新しく小児科を8人体制でいくのだが、2人は新人で持ってくる。あと6人は系列の病院から何とか融通しますというようなことを、その会合の中で、引き継ぎ会の中で発表したということなのです。その系列という中では、うわまち病院という名前もそこに出ていたということなのです。そんな情報を新聞で見たのですが、その辺のところをとらえていますでしょうか。
◎※地域医療推進課長
その新聞は私も拝見しましたし、そのことについて練馬区のほうにも問い合わせをいたしました。
◆長谷川昇委員
その状況についてお聞かせいただければと思います。
◎※地域医療推進課長
練馬区の担当課長に問い合わせした結果では、現状で足らないということはあると。ただ、その足らない部分をどこの病院から何名というところの決定はしていないし、そういう情報を区として発表した経緯もないと聞いております。
◆長谷川昇委員
とはいえ、今の話ですと、そういう可能性もあるということに受けとめてよろしいですか。
◎※地域医療推進課長
私もそのように受けとめております。
◆長谷川昇委員
実際、日本大学から移ったときに、練馬区のほうで、医師の数は必ず確保したいということで市民のほうには言ったということもありまして、4月1日ですから、あと日数がないわけですので、何とか手当てをしたいという形での動きがあろうかと思うのですが、事前にそういった話はこちらのほうにあったでしょうか。
◎※地域医療推進課長
この件に限らず、人事異動について市のほうで逐一報告を受けることはありませんが、その結果として診療体制に何かしら影響があるという場合には、報告を求めております。直近の例で言いますと、昨年度、市民病院で産科医師の退職ということがありましたが、それは直近に至るまでもなく、それ以前に、どの医師がいつ、何名やめるといったことについては、詳細に報告を受けて、必要に応じて議会のほうにもお話をさせていただいております。
◆長谷川昇委員
従前から、横須賀市の医療にかかわって医師不足ということで、これは予算のときにもお話をさせていただきましたし、現状も報告を聞かせていただきましたが、これ以上、医師をふやしてほしいという段階で、どこかへいなくなってしまうということは、横須賀市においては大変な問題だと思っておりますが、それについて見解をいただきたいと思います。
◎※地域医療推進課長
実際にうわまち病院から医師が異動するのか、異動するとして何名異動するのかというのがわかりません。うわまち病院のほうにも問い合わせしておりますが、現状で確定した人数とかないと聞いておりますので、影響については、現段階ではかりかねるところがあります。
◆長谷川昇委員
これは小児科だけの問題ではなくて、いろいろ資料を見てみると全体に足らないのです。とすると、小児科以外のところでも何名か、同じ系列の中から、引きぬくといいましょうか、融通するということが考えられるのです。そういった意味では、ここはきちんと横須賀市として対応していただいて、そういったことにかかわって事前に連絡をとりながら、できる限りこちらとしては医師を確保したいという姿勢を示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎※地域医療推進課長
これまでもそのように、指定管理者のほうには話をしておりますし、もし異動によって診療体制に何か影響があるところであれば、報告するように求めていきたいと思います。
◆長谷川昇委員
部長のほうからそれに対して見解を。
◎※健康部長
まず、一番大事なことは診療体制が維持されることだと思います。その中で、維持された上で、地域医療振興協会の中の人事異動ということで、何とかなるということであればやむを得ないと思いますが、私どもは診療体制の維持、その1点に絞って地域医療振興協会と話をしてきたいと思っております。
◆長谷川昇委員
ぜひその辺のことを明らかにしながら行っていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
2012年 第2回定例会 教育福祉常任委員会
2012年6月12日(10:00~17:41)
◆長谷川昇委員
まず、健康部、市民病院、うわまち病院の小児科医師にかかわって、第1回定例会のときにも御質問させていただいたのですが、引き続きということで御質問させていただきます。
本会議のほうでも井坂議員のほうからお話がありましたが、小児科医師が練馬区の光が丘病院のほうに今回、3名行かれているという話を聞いております。もう一度確認したいのですが、現在、うわまち病院と横須賀市民病院で小児科医は何人ずついらっしゃるという認識でしょうか。
◎※地域医療推進課長
小児科の医師数でありますが、うわまち病院が10名、市民病院が5名です。
◆長谷川昇委員
今回、6人の方が新たに入られて、3名やめられて、3名が練馬のほうに行ったというお話を本会議のほうで聞きましたが、10人のうち6人が新しい方ということで、その年齢構成であったり、また経験について、大ざっぱでも結構ですが、どういう状況でしょうか。
◎※地域医療推進課長
まず、増減についてもう少し詳しくお話ししたいと思います。うわまち病院では、ふえた小児科医が6名です。新採が5名で、協会のほかの病院からの異動が1名、これで増員が6名です。退職が2名ありました。それから市民病院へ異動した医師が1名、それから光が丘病院へ異動した医師が3名ということでございました。
お尋ねの新たに採用した小児科医師の経験年数ですが、平均すると6年ということでございます。
◆長谷川昇委員
うわまち病院と市民病院の間で結構行き来をしているということでは、かなり新体制ということになるかと思いますが、その辺の引き継ぎも含め、新たな体制づくりは、横須賀市としてどのように受けとめていますでしょうか。
◎※地域医療推進課長
先ほど光が丘病院のほうへ3名異動したというお話をいたしましたが、この3名のうち、これまで市立病院に勤務していた医師は1名だけです。残りの2名は新規採用であったり、あるいはほかの病院からの異動でふえる予定だった医師がそのまま光が丘病院のほうへ異動になったこと等があり、実質、これまで勤務していた医師が異動したのは1名だけということですので、影響はなかったものと考えております。
◆長谷川昇委員
地域医療振興協会が新たに病院を2つつくったということの中では、引き抜きとか、横須賀市の医療が薄くなってしまう、手薄になってしまうということが大変懸念されます。
ことし、新たに動いたということでありますが、そういった中で、今後も1人減り、2人減りということになってしまっては、大変危険な状況が生まれてくるのではないかと危惧いたします。
その中で、3月の第1回定例会のときに、状況はどうですかと御質問したときに、なかなか事態を把握されていないという状況もありましたので、その辺の連携についてはいかがでしょうか。
◎※地域医療推進課長
通常、地域医療振興協会とは毎月、事務的な打ち合わせをしております。これは市民病院、うわまち病院、各1回ずつですので、年間ですと24回になります。
それから、このような委員会があるたびに、それぞれの病院の管理者に、委員会での御意見を伝えております。要望があれば、その際、こういうふうにしてほしいという要望を伝えております。
これを市民病院、うわまち病院別々に行っておりますので、平均4回とすると計8回程度。
それ以外に市長が直接、理事長と会談をする場も設けておりますので、かなり頻繁に連携できていると考えております。
◆長谷川昇委員
いまだに開設していない科もたくさんありますので、医師を拡充するという方向で横須賀市は取り組まなければいけない状況の中で、大事な医師を持っていかれてしまうということがないように、ぜひ頑張っていただければと思います。
健康部長のほうから、見解を。
◎※健康部長
ただいま、委員から御指摘いただきましたように、我々のほうとしても、市立の病院が充実していくように進めたいと思っておりますので、これからも地域医療振興協会とは連携をとりながら、情報交換しながら進めていきたいと思います。
2013年 第1回定例会 教育福祉常任委員会
2013年3月5日(10:00~17:07)
◆長谷川昇委員
それでは、先に病院事業から入りたいと思います。
8ページのところお願いします。
市民病院の業務の予定量ということで、平成24年度予算、平成25年度予算という比較が載っております。それを比べたときに、患者数であったり、また、年間の患者数が1日当たり197人から188人に減る。また、年間でも約3,200人減るという見積もりであります。
一方、下の診療単価に関しては5万2,000円から5万5,957円と、患者の数は減るのだが診療単価は上がって、それで何とか健全な運営だということが見えるのです。先ほどの説明の中で、市民病院の状況については、かなり安定した状況、経営的に安定したという話があったのですが、それでは患者の皆様、市民の皆さんに対してどうなのだろうかというところが見受けられるのです。その辺のところはいかがでしょうか。
◎※地域医療推進課長
まず、患者数については先ほど答弁したとおりなのですが、単価が上がることについては、これまで外来をやっていたが入院はやっていなかった科が、例えば呼吸器とか神経内科でできますので、それについては外来をやった結果、入院が受けられることになりますので、そのあたりで入院単価増等を見込んでおります。
◆長谷川昇委員
そういったサービスの部分が、この指定管理の前と比べては、少し前ですが、随分落ちてきているのかというものを感じている部分があります。最近少し話を聞いた中で、例えば急病で病院に行ったところ、入院できないと返されてしまった。どうしたらいいのですかと聞いたら、これについては別の病院に行ってくださいということで、かなりたらい回しがあった。昔ならば、その場で入院であるとか、手当てができたのがなかなかできない。そういったこともある中で、市としては、今努力はされているとは思うのですが、早々に閉鎖されているところの医療の拡充というところで頑張っていただければと思うのです。
先ほど、産科にかかわって、いずれ再開をということでありました。今1人の医師、年報を見ると産科と婦人科の兼任の方だということなのですが、あと何人ぐらい医師がつけばきちんと再開できるのか、そういった見通しについてはどうでしょうか。
◎※地域医療推進課長
移行直前は産婦人科医が3名でやっておりました。ただ、3名というのは非常に医師にとっても労働条件が悪い、それがひいては退職につながったのかと思っております。
横浜市立大学から派遣されている病院を見ると、医師の労働条件もそれほど悪くならないで長期間責任を持って医師を派遣するためには、10名前後を目安にしたいということがあるようです。
◆長谷川昇委員
そういった意味では、産科にかかわらず医師の配置を早々にしていただければと思っております。
実は、病院年報、最近出てきたものを見せていただきました。ばっと見た中で、小児科にかかわって少し読ませていただくと、小児科の担当医の方が書いているのですが、やはり最近小児科に来る患者さんの数が減っているので、うわまち病院と市民病院とどちらかの病院に小児病棟を増設し集約化したほうが効率がいいなどということを書いているのです。これについて、市としてはどのような見解を持っているのでしょうか。
◎※地域医療推進課長
確かに一般的に言えば、1つの病院に多くの小児科医、これは小児科に限りませんが、医師を集めて集中的に診療するのが一般的な傾向だと思います。
ただ、市民病院にそれでも5名、地域医療振興協会が小児科医を残しているというのは、やはりあの地区にほかに小児科の外来入院を行える病院がないところで残していただいていると思いますので、今後もその方向で地域医療振興協会とは話をしたいと思っております。
◆長谷川昇委員
小児科医にかかわっては、昨年も練馬光が丘病院が新設されるので、そこで医師が不足しているという中で、相当数の方が今足りないので、同じ地域医療振興協会の中から集める危険性があるということで、指摘させていただきました。横須賀市も早々に対応していただいて、横須賀市の現状の中では大きな問題は出ていないと伺っております。
それについて、まだまだそういった状況はありますので、今後も確保できる以上に引き抜かれるという危険性はあります。そういった中で、今小児科のお話をしましたが、とりわけ今練馬光が丘病院では小児科医が足りないということで問題になっていますので、この医者の言われたこととリンクしていなければいいなとは思うのですが、そういった中で、いずれどんどん集約していく。そしてそれを閉鎖していくという逆の方向になったら、これは大変問題だなと思っておりますので、それについて、この間の練馬光が丘病院との関係の中でのやりとりはいかがでしょうか。
◎※地域医療推進課長
昨年のこの時期の定例会でそういった御意見をいただいて、本市でも健康部として、当市の地域医療振興協会の人事はどうしようというか基本的に地域医療振興協会の人事でいいのだが、その結果、当市の医療に影響があるようなことは困るということを申し上げて、結果、医師の数については増減はなしという結果になりました。
今後もこういったことがある場合には、地域医療振興協会には報告を求めて、市の医療体制に影響がないような範囲内でということはお話ししていきたいと思います。
2013年3月14日(10:00~16:56)
◆長谷川昇委員
健康部にお願いいたします。
市立病院運営委員への諮問と答申が書かれております。審議が審議経過ということで、1回から6回まであるのですが、病院に当然行って、視察をされたりという中でこの結論になっているということでしょうか。
◎※地域医療推進課長
会議は原則として本庁舎で行っております。病院を視察するということはございませんでした。ただ、第2回目のときに市民病院長に出席いただいております。
◆長谷川昇委員
実は、所管のほうで行おうと思ったのですが、2ページ目の小児医療のところで、指定管理者制度移行前と同数の小児科医を確保し、紹介患者を中心とした診療を行っている。
これはデータ的に見れば同数、5名ということでやっているのですが、病院年報のうわまち病院と市民病院とを見たときに、少し質問したいのは、市民病院の小児科の数が入院患者数、また医療別患者数、さらに緊急の患者数ともに、とりわけ入院患者数が平成21年では8,361人だったものが年々減っているのです。平成22年に5,141人、そして平成23年には3,557人と。3年間で半分以下ですね。3分の1になっている。
外来患者数も平成21年度は1万3,000人いた。それが平成22年度4,600人、1万人近く減っているのですね。また、平成23年で3,870人、もちろんこれ延べですから、患者の実数はもっと少ないと思うのですが、こう減ってきている。5人確保されているから平気だと答申にあるのですが、実際どう分析されているのでしょうか。
◎※地域医療推進課長
今、委員がおっしゃられた数字は、当然審査に必要ですので、全部お出しした上で、こういった答申をいただいております。
紹介患者を中心にしたということについては、紹介率についてはもとの患者数が減っているということで、紹介率は平成21年度が約25%でしたが、平成23年度は41%とふえておりますので、そのあたりのことで紹介患者を中心とした診療を行っているという記述になったのかと思っております。
◆長谷川昇委員
前回、個別の審査のときにも指摘したのですが、この地域医療振興協会が東京や千葉に新しい病院をつくった。そちらの人数が足りないということも随分聞いております。向こうの方に先ほど電話して、どういう状況なのかというお話も聞いたのですが、小児科が向こうは回っていない。実際には開店休業まではいかないですが、とりわけこの間指摘した、練馬光が丘病院は医師がどんどんかわっている。1年間で半分ぐらいがかわってしまった。また、実際に3つ部屋をとってあるのだが、動いているのは1つしかないような状況もあるということも聞いたのです。
実は市民病院もこの間見ていて、私も家が近いので行く機会があるのですが、病棟に子どもの姿が見えない。ほとんどいない。どうしてしまったのか。ほかの科はたくさん患者がいらっしゃるのに、この科だけいらっしゃらないという傾向があるのです。
そこで、実際現場に行かれなかったということなのですが、そういう状況を仮に見れば、どうしてなのだということを思われると思うのです。その辺はいかがでしょうか。
◎※地域医療推進課長
答申の中にはありませんでしたが、やはり分娩が行われていないことが一つ大きな要素があると思います。分娩を行う中で、新しいお子さんがお生まれになって、中には不幸にして病気を抱えている方がありますので、そういった場合にはそのまま小児科に移行して診察するということがあるのですが、市民病院については残念ながら医師による分娩がない状況ですので、そういった面で入院患者がふえないというところもあると思っています。
◆長谷川昇委員
基本的にここにも書いてあります紹介患者を中心とした診療ということで、地域の病院から紹介されてということで、個人の病院から紹介されてということになると思います。そこがどうも別のところに紹介しているとか、市民病院を避けていることはないとは思いますが、そんなことがあるのですか、どうでしょうか。
◎※地域医療推進課長
紹介いただいている数自体はそれほど変わっておりませんので、そのあたりはないかと思っております。
◆長谷川昇委員
先ほど数字を出しましたが、このままいくと病院年報の中で小児科の診療部長が言っているように、小児科は来る人がいませんと。いないから、では要らないのではないかと。うわまち病院に集中しようよといった流れが意図的につくられているのではないかという疑念を持つのです。そうすると、この間も横須賀市としては、そういったつもりはない、むしろきちんと維持していくという話をされていましたが、そういった流れが、それはもう現実的に医師不足だというところに、動機はあるわけです。そういったことからすれば、きちんと対応していかなかったら大変なことになるという思いを持つのですが、それについていかがでしょうか。
◎※地域医療推進課長
先週、市民病院長と健康部で会う機会がありました。そのときに、既に部局別の審査が終わった後でしたので、長谷川委員からこういった御発言があって、市としても大変そのことは心配しているということを院長にもお伝えさせていただきました。
◆長谷川昇委員
院長のお話はいかがでしたか。
◎※地域医療推進課長
病院としても、外来は小児科は必要という御回答をいただいております。
★本会議での井坂議員の質問
平成24年(2012年)第2回横須賀市議会定例会(第2日)
2012年6月11日(月曜日)
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3月に行われた第1回定例会の教育福祉常任委員会で、私は、地域医療振興協会が、ことし4月から新たに練馬光が丘病院の運営を始めることに伴い、どのように市立2病院に影響するのか、医師の人数などの把握はどのようになっているのかについて伺いました。そのときは、予算の説明資料に記載されている医師数を確保できるかどうかはわからないとの答弁であり、練馬光が丘病院の影響がどのようになるかもわからないとのことでした。このことに関連して、その後の状況把握と今後の市民病院の充実のための指定管理者との連携についてお伺いいたします。
さて、光が丘病院は、20年間、日大医学部が病院の運営を行い、とりわけ東京都における小児救急医療の中心的存在として大きな力を発揮していました。しかし、昨年、病院の赤字経営などの影響から事業を撤退することとなり、その後の運営を地域医療振興協会が担うこととなりました。
地域医療振興協会は、運営を引き継いでも日大と同程度の診療体制をとるとしていましたが、準備期間が短かったこともあり、必要な医師を確保できず、常勤医師は以前の約120名から大幅に減少し約70名体制で4月からの運営スタートとなりました。特に、小児科は19名体制だったものが9名体制となり、そのうち3名はうわまち病院から異動となっております。病院としては、今後1年間で9名体制の小児科を14名体制とすることや約70名の常勤医師を90名にする方針とのことです。
さらに、地域医療振興協会は、2012年4月に東京ベイ浦安市川医療センターを新しくスタートさせました。この病院は、浦安市と市川市が一部事務組合で行っていた病院を、医師不足などの理由から2009年に組合を解散し、運営を地域医療振興協会に引き継ぎ、2009年4月から仮病棟として9診療科、48床で運営していました。2012年4月からは、新たに病院の建てかえを行い、これまで仮病棟で行っていた9診療科に新たに9科目を加えた18診療科、165床でスタートしました。市川市のホームページには、今後平成25年度末までに20診療科、344床に拡充していく予定と掲載されており、大幅な診療体制の拡充が図られるとしております。
このように、地域医療振興協会は、首都圏近郊でこれだけ大きい病院の医師、看護師を増員して取り組もうとしている状況ですので、今後の影響について情報収集をし、協会との連携を強化することが重要になっていると思います。
私は、地域医療振興協会の運営や拡充方向についてどうこう言うつもりはなく、横須賀の地域医療を守るために、どう市民病院の診療体制の拡充をしていくのか、その方向性も含めて協会との話し合いが必要になっていると思っています。市長のお考えをお聞かせください。
光が丘病院も、浦安市川医療センターも、具体的にはどのような取り組みが行われるのかはわかりませんが、横須賀市の市民病院も、診療体制の充実、医師、看護師の確保が求められています。市が指定管理者制度を導入して医師の確保が進むと考えていたのは、全国的に展開している地域医療振興協会の中で、医師の派遣などがあり充実できるという期待があったと答弁などからもうかがえます。しかし、この間の取り組みを見ますと、そのような状況は、うわまち病院から小児科医師の派遣が市民病院にあったほかは、ほとんどないように受け取れます。そのような派遣体制についてどのようになっているのかお聞かせください。
また、もっと派遣などの要請も行う必要もあるのではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。
いずれにしても、市民病院の診療体制はいまだに不十分となっています。市民病院の現在の方針としては、診療体制の充実を図る期間と位置づけて取り組まれていると思いますが、具体的に指定管理期間の8年間でどのような体制強化を図る計画なのか、また、協会としてどのような具体的な手だてを講じることとなっているのか、協会との話し合いが必要になっていると思いますが、市長はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。
★市長回答
次に、市民病院の診療体制の拡充や方向性について、協会との話し合いが必要ではないかという御質問をいただきました。
常勤医師数を例にとると、移行当初の52名から59名に増員されるなど診療体制の拡充は進んできています。話し合いの必要性は認識していますので、随時、地域医療振興協会との意見交換を行っていきたいと考えています。
次に、地域医療振興協会の医師の派遣体制について御質問をいただきました。
市民病院に指定管理者制度を導入した理由の一つに、大学医局からの派遣以外の確保手法があるということがありました。例えば、地域医療振興協会の運営する病院では、スカウトなどの独自の確保手法がありますが、これには全国組織である地域医療振興協会の情報収集能力が生かされているのではないかと思います。
次に、もっと派遣などの要請を行う必要があるのではないかという御指摘をいただきました。
医師確保については、これまでも要請を行っているところですが、地域医療振興協会の特色を生かした確保方法について、これからも要請を行ってまいります。
次に、指定管理期間の8年間の市民病院の体制強化などについて、協会との話し合いが必要ではないかという御質問をいただきました。
指定管理期間の8年間で実施すべき医療機能については、基本協定及び業務仕様書の中で明示をしています。これに沿って市民病院と協議を行ってきていまして、例えば、平成23年度には透析機能の充実を図ったところです。今後も、市と協会が緊密に連携し、医療機能の向上に努めてまいります。
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