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▼今回の議論の大元の原因は、「小児科医」が横須賀に定着してくれないということだ。今年も、6人がやめるという。2人が新たに入るが、差し引き、4人の減だ。それを埋めるためには、横須賀の小児科は統合し、うわまち病院ひとつに集約する方向で考えざるを得ない。市民病院は、うわまちのサテライト機関として、一次医療専門で、うわまち病院への紹介機関にする。というのが、流れを要約すると今回の提案の骨子だ。
▼このまま行くと、市民病院の小児科は病院としての機能はなくなり、うわまち病院の受付業務に専念するだけとなってしまいます。それでいいのでしようか。ただ、うわまちに移せばいいという話ではありません。うわまち病院もスペースもキャパシティもかなり飽和状態です。 今必要なのは、現場の医師の考えも尊重し、声を聞いて、一緒に小児科の子ども医療の行く末を展望することが必要です。
▼先日、小児科の医師と膝を交えてお話をした中で、横須賀の医療に必要なのは「産科・小児科・様々な分娩異常でもケアのできる病院」だという。 小児科医は横須賀のこれからを考えた時に、「小児周産期医療センター」の開設を切に望んでいるということでした。
▼そういった病院になるならば、「医者も集まる」というのです。これまで、横須賀市では、医者を集めるためにお金を積む「いのちの基金」などという手法をとってきましたが、お金を出しただけでは医師はそんなことではこないという。小児科医も産科医もお金以上に、仕事のやりがいがあって、純粋に、スキルアップする現場がなければ、「いい人材は到底集められない」ということです。逆にそういった場所に医者はいってしまうので、横須賀の現状のような環境では集められないし、辞めてしまう。小児科医は特に「売り手市場」。募集があって手を挙げれば、すぐにとってもらえる。
▼産婦人科も小児科もともに、充足し、出産から、子育てまでが安心して出来る町こそ、「子どもに選ばれる町、横須賀」といいえます。
▼これまで、小児医療費を何年生まで上げるか議論をしてきましたが、それ以上に充実した医療、とりわけ小児科医療がなければ、いくら小学生の医療費を無料にしても意味がないではありませんか。
▼数年前、横須賀に、それも市民病院に「小児周産期医療センター」をつくろうということで、大変苦労をなさって、ようやく国の予算が40億円がつく所まで行ったということですが、国からの予算取り消しの通知があり残念なことに中断しているプランがあることも知りました。今後もそれが一番すすめたいプランであることも聞きました。
▼横須賀市も発想の転換を図り、 将来に向けて、市民病院に「小児周産期医療センター」の構築など、子どもを安心して産み育てる総合的なケアシステムの構築をはかることの必要な時期に来ています。これには、当然予算上の措置が必要ですが、横須賀市も市長のスローガン通り「子どもにも選ばれる町横須賀」を目指すならば、この政策を選択する必要があります。
▼今、横須賀の抱えている医師の離職をとめ、産婦人科の再開とより高度な医療の導入による市民への安心。一方で、医師にとっても魅力的な職場であり、地域の住民にとっても安全安心が確保され、将来に向け、少子化対策の根本的な解決策につながる。こういった、「未来の横須賀を担う子どもを育成するプラン」の実現を優先的にした「選択と集中」の中で、進める必要があります。
▼「解決の糸口」として、出産・育児・NICU・NFICU体制と連携を含んだ、抜本的な「小児周産期医療センター」の構築をすすめることからしか道筋はないと考える。そのための課題を丁寧に拾い上げながら進めていきたい。
参考
MFICU
母体胎児集中治療室 – 妊婦の集中治療室。PICU(周産期集中治療室)と呼ばれる場合もある。
NICU
新生児集中治療室 – 未熟児・新生児専用の集中治療室
慶応大学の小児周産期医療センター
http://pedia.med.keio.ac.jp/whatsnew/post-7.php
追伸 ・このことを調べる中で、個人病院を経営している友人から、有り難いアドバイスをいただきました。「お医者さんは純粋だよ。横須賀にお医者さんを呼ぶには、お金を出すことより、尊敬と感謝の心がないと絶対むりです。自分の技術と誇りを大切にする職業だからね」ということでした。指定管理以来、採算や経営努力だけで医療を見てきたのではないかという反省をしなければならないと思いました。医師や看護師の職場の観点から、うわまち病院と市民病院の二院制のあり方を含め考える時が来ているのだと思います。
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