コンテンツへスキップ
戸籍謄本などで本人通知制度導入へ 不正取得の事件で横須賀市2014.06.12 【神奈川新聞】
探偵や調査会社が関与して全国的に戸籍謄本などが大量に不正取得された二つの事件を受け、横須賀市は本年度中に、第三者が不正に請求した場合に本人に伝える「本人通知制度」を導入する方針を決めた。11日に開かれた市議会本会議で、吉田雄人市長が長谷川昇氏(研政)の一般質問に答えた。
2事件は、都内の司法書士事務所と群馬県の調査会社が関わったもので、2011年から12年にかけて発覚。横須賀市では戸籍謄本が40件、住民票が37件、不正に取得されていた。法律上請求権限を持つ司法書士と行政書士が、探偵から依頼されて取得したものだったという。
市長は県内での本人通知制度導入状況について、「昨年9月の藤沢市をはじめ、相模原、鎌倉、伊勢原、秦野の5市で導入している。導入に向け検討している自治体が2市あると聞いている」と説明。
横須賀市の対応として、「基本的には法整備が必要と考えているが、県内の導入状況や過去の実例を踏まえると、導入に向け具体的な検討を進めなければいけない段階に来ている。本年度中を一つのめどとして考えたい」との方針を明らかにした。
昨年11月の一般質問に続けてこの問題を取り上げた長谷川氏は「(不正な)資料請求への防止策で、市民への安全安心を保障することにもなる。本年度というまでもなく、早々にやってほしい」と要請。市長は「事前通知型にするのか事後通知型にするのかなど、課題の洗い出しもしないといけない。本年度と思い切って答弁したことをよしとしていただきたい」と述べた。
住民票など不正取得 本人通知 導入前向き
2014年6月12日 東京新聞
横須賀市で住民票の写しなど個人情報七十七件が第三者に不正取得された問題をめぐり、吉田雄人(ゆうと)市長は十一日の市議会一般質問で、第三者による請求時や不正取得の判明時に本人に知らせる「本人通知制度」について「本年度中をめどに制度の導入を考える」と前向きな姿勢を示した。長谷川昇市議(研政)が、他都市の状況や市の考えをただした。
吉田市長は、昨年八月時点で全国三百七十自治体が制度を取り入れており、県内では藤沢、相模原、鎌倉、伊勢原、秦野の五市が導入し、検討中も二市あると説明。県戸籍住民基本台帳事務協議会を中心に、県内の自治体で連携して国に法整備を求めるとした。一方、横須賀で不正取得が相次いだため「何らかの手当てをとらねばならない。具体的な検討を進める」と話した。
長谷川市議は、県内で確認できた不正取得八百十八件の内訳は、横浜三百四十件、川崎百十八件、相模原五十四件だったとし、「人口比率で考えると、横須賀の七十七件は突出して多い。抑止の観点で早々に制度設計を」と訴えた。吉田市長は「制度にも課題がある。通知が事前か事後かなど、課題の洗い出しが必要だ」と答えた。
市によると、制度を始めた三百七十自治体では、事前型が二百四十二、事後型が七十九、両方併用が四十七、全市民対象が二で、事前型が多いという。 (中沢佳子)
]]>